NTTドコモによる『ブルーロック』『にじさんじ』など人気作品コラボからオタクビジネスを考える~コラボ内容とコラボ元のサービスはどう決める?~

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アニメ、漫画、ゲームなどを好むオタクをターゲットとしたビジネスとして近年主流になってきているのが、様々な作品と企業のコラボ(コラボレーション)企画です。流行中の作品からオタクに馴染み深い作品まで、多くの作品がコンビニ、アパレル、食品などの企業とコラボをして、ファンが喜ぶような商品・企画を開発しています。

中でも、携帯電話サービスや、スマートフォンで使える各種サービス、「dポイント」でお馴染みの共通ポイントサービス、「dカード」や「d払い」といった金融分野のサービスも手がけるNTTドコモは、数多くの人気作品とコラボをし、注目を集めています。今回の記事では、NTTドコモがこれまでにコラボしてきた作品とコラボ内容を紹介します。オタクビジネスやコラボ企画を検討する上での参考にしてください。

『ブルーロック』『あんさんぶるスターズ!』『アイドリッシュセブン』『ブラックスター』『にじさんじ』、5作品のコラボ内容をチェック!

描き下ろしイラストのグッズで注目度アップ!人気サッカーアニメ・『ブルーロック』コラボ

NTTドコモプレスリリースより(https://www.docomo.ne.jp/binary/pdf/info/news_release/topics_221130_00.pdf)

『ブルーロック』は、『少年マガジン』にて2018年より連載されている漫画です。サッカーをテーマにしていて、2022年の秋にアニメが放送され、W杯の開催によってさらに人気を呼びました。

コラボ内容は、NTTドコモの電子マネー「iD」とのコラボで、ドコモのクレジットカード(dカード)・ライフカード・オリコのクレジットカードなどの「iD」対応サービスで一定金額以上の利用をし、キャンペーンに応募すると抽選でグッズが当たるというものです。グッズはキャラクターの描き下ろしイラストを使用しており、キーホルダーやブロマイド、アクリルスタンドといった豪華なラインナップとなりました。また、アニメファンがよく利用するdアニメストアでグッズ購入の際に使えるクーポンがもらえるTwitterでのフォロー&リツイートキャンペーンも開催され、企画の多いコラボでした。

電子マネーやクレジットカードのように、身近なものを使用することで簡単に参加できる点は大きな魅力です。また、コラボのためだけに用意された描き下ろしイラストはかなり貴重なものになるので、ファンからより注目を浴びることができます。さらに、コラボが開催されたのは2022年12月1日(木)からで、アニメが放送されている時期だったこともポイントです。

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©金城宗幸・ノ村優介・講談社/「ブルーロック」製作委員会

女性人気が高いスマホゲーム『あんさんぶるスターズ!!』はゲーム内コラボも用意

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『あんさんぶるスターズ!!』は、アイドルをテーマにしたスマホゲームで、キャラクターの育成やストーリーが楽しめる『あんさんぶるスターズ!!Basic』と、リズムゲームが遊べる『あんさんぶるスターズ!!Music』の2つが配信されています。

NTTドコモとのコラボは2021年2月に行われ、作中に登場するアイドルユニットがアンバサダーとなって様々な企画を展開しました。ドコモユーザー限定でグッズ購入権が当たる抽選や、『あんさんぶるスターズ!!Music』のゲーム内にドコモショップをイメージしたアイテム、ドコモのマスコットキャラクターの「ドコモダケ」のアイテムが登場しました。

ドコモユーザー限定のキャンペーンは、他社からの乗り換えをした人も参加可能で、新たな顧客獲得のきっかけにもなりました。また、キャラクターをアンバサダーにするというアイディアによって、よりリアリティのあるコラボになっていたという印象です。ゲームとの連動企画があると、現実でもゲームでも作品の魅力を感じられます。

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『アイドリッシュセブン』はライブチケットが当たるキャンペーンを開催

『アイドリッシュセブン』は、アイドルをテーマにしたスマホゲームです。リズムゲームとストーリーを楽しむことができるほか、少女漫画雑誌『りぼん』で数々のヒット作を連載した漫画家の種村有菜がキャラクター原案を担当していることで人気になっています。

NTTドコモとのコラボは2022年8月に行われ、ドコモオンラインショップでスマートフォンを購入することで、『アイドリッシュセブン』のライブイベントのチケットが当たるという内容のものでした。また、LINEでドコモオンラインショップを友だち登録し、アンケートに答えた人全員に壁紙をプレゼントする企画もありました。

アニメや漫画、ゲーム関連でもライブなどのイベントは近年多く開催されていて、推し活(好きな作品やキャラクターを応援する活動)として積極的にイベントの参加をしたいと考えているファンも多くいます。そのため、チケットが当たるキャンペーンは目に留まりやすいです。また、LINEなどアプリを使って簡単に参加できるキャンペーンも手軽さゆえに好まれます。

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『ブラックスター』とのコラボでは、お店に行くのが楽しくなるコラボ店舗が登場!

@Pressより(https://www.atpress.ne.jp/news/277539)

スマホゲーム『ブラックスター -Theater Starless-』は、ダークな男性キャラクターたちによるエンターテイメントショーをテーマにした作品です。キャラクターの声は、『鬼滅の刃』で煉獄杏寿郎を演じた日野聡、『呪術廻戦』七海健人役で知られる津田健次郎など、人気声優が担当しています。

2021年9月に開催されたNTTドコモとのコラボでは、ドコモショップルミネ池袋店の外観が『ブラックスター -Theater Starless-』仕様になり、写真を撮って楽しめる企画が行われました。その他にも、料金プラン・ギガホプレミアを契約・または契約中の人を対象にしたグッズセットの販売、毎年アニメや漫画、ゲーム好きな女性が集まる「アニメイトガールズフェスティバル(AGF)」でのギガホプレミアユーザー限定抽選会の開催など、女性ファンの心を掴む内容になっていました。

ドコモショップのコラボとアニメイトガールズフェスティバルの開催地は共に池袋ですが、アニメや漫画、ゲームに関連した店舗が多く、オタク女子が集まるため、コラボを開催するには最適な場所です。実際に足を運んで写真を撮れる特別な展示も、SNSにアップして思い出に残せるので人気が高い傾向にあります。

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  • @Press:https://www.atpress.ne.jp/news/277539 (ギガホプレミア、ドコモショップルミネ池袋店)
  • いちごあん独自記事「『ブラックスター -Theater Starless-』とコラボ中のドコモショップルミネ池袋店でコラボボスとカードをゲット!」(2021年10月15日掲載):https://ichigo-an.com/archives/52841

描き下ろしイラストで大人気企画をさらに盛り上げた『にじさんじ』コラボ!

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YouTubeでゲームや雑談、歌などの配信をするキャラクター・VTuber(ブイチューバー、バーチャルユーチューバー)が所属する『にじさんじ』は、現在性別年齢問わず多くの人が注目しているコンテンツです。

『にじさんじ』所属のVTuberが野球ゲーム『eBASEBALLパワフルプロ野球』を使用して行う大型ゲームイベント『にじさんじ甲子園』の協賛となったahamo(NTTドコモ)が、2022年7月より、『にじさんじ甲子園』とのコラボをスタートしました。内容は、期間中にエントリーし他社からahamoに乗り換えることで、dポイント5,000ポイントと、『にじさんじ甲子園2022』の描き下ろしイラスト壁紙のセットがプレゼントされるというものです。

夏の一大イベントとして注目を浴びている『にじさんじ甲子園』ですが、企業とのコラボによってますます盛り上がりを見せました。イベントならではのキャラクターのイラストは貴重なので、その点に惹かれたファンも多そうです。また、ドコモ経済圏の拡大によってdポイントの付与に魅力が感じられること、ahamoがデジタルネイティブ向けの料金プランであり、にじさんじの顧客層とマッチしていることもコラボが好評になった理由だと考えられます。

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コラボ成功の秘訣とは…?

NTTドコモ、NTTドコモによるサービスとアニメや漫画、ゲームなどのコラボについて紹介しました。同じ企業ではありますが、コラボした作品はもちろん、企画内容も様々でした。コラボ成功の秘訣をNTTドコモと5つの作品のコラボ内容から考えると、

  1. アニメの放送時期、イベントの開催日、ファンが集まる場所を考える
  2. グッズなどには描き下ろしイラストを採用
  3. ゲームやイベントと連動した企画を考える
  4. LINEなどのアプリやSNSで手軽に参加できるキャンペーンを用意
  5. 購入や入会などで特典を入手できるようにする

といったポイントが重要視されてくるように思えます。1~3はファンに魅力を感じてもらうために意識しておきたいポイントで、4、5は新規顧客の獲得に繋げるためのポイントです。もちろん、ファンが喜び、企業が盛り上がるような工夫はまだまだたくさんあるはずです。

「オタク女子推しラボ」では、アニメや漫画、ゲームとのコラボの考察や流行作品の調査、オタクならではの文化などについて日々情報を集めています。オタクをターゲットにしたビジネスをご検討の際は、参考にしてみてください。

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