好きなキャラクターやアイドルを応援する「推し活」でトラブル急増中!流行の裏側にある金銭面・人間関係・SNSなどのトラブルとは?

業界ニュース

Z世代をはじめ、多くの人が熱中している「推し活」。好きなアニメや漫画のキャラクター、アイドル、俳優などの「推し」を応援し、グッズを持ってお出かけしたり、SNSで友達と交流したり、時には自分で推しをイメージしたものを作ってみたりなど、楽しみ方は無限大です。そんな「推し活」も、実は楽しいことばかりではなく、多くの危険性が潜んでいます。

最近は、「推し活」関連の金銭トラブルがネットで話題になったり、「メンズコンカフェ(あるコンセプトに沿って作られた、男性が接客をするカフェ)」・「メン地下(メンズ地下アイドル)」を推している人が事件に巻き込まれたことがニュースになったりと、「推し活」をするうえでの問題点も浮き彫りになってきました。

では、「推し活」を安全に、楽しくするためにはどうすればよいのでしょうか。今回は、推し活のトラブルの原因となりやすい「金銭面」「人間関係」「SNS」の3つから、トラブルの危険性と回避の方法を考えていきます。

気づいた時には危険な状態に!?推し活のトラブルに要注意!

ついつい使いすぎてしまう…金銭面のトラブル


「推し活」は一種の消費活動です。そのため、金銭トラブルの危険性が常についてきます。

推しが好きすぎてグッズを買いすぎてしまったり、無理にイベントに行っているうちにクレジットカードの引き落としが予想以上になっていたり…というケースが多くあります。手軽にできるスマホゲームの課金を過度にすることも、「推し活」の金銭問題の一因として挙げられます。他にも、SNSで他者からチケット・グッズなどを買い取る際に詐欺にあってしまった、チケット・グッズ代を相手に振り込んだあと、現物を受け取る前に連絡がとれなくなってしまった、という事例も見受けられます。

また、最近は、「推し」に自分の存在を知ってもらいたいと思い、配信アプリの投げ銭システムや、「メンズコンカフェ」「メン地下」でお金を使いすぎてしまう人もいるようです。こうした「推し」との密接なコミュニケーションがとれたり、「推し」との関係を求めたりしてしまう「推し活」ならではの金銭問題も出てきました。

そして、「推し活」をする人の低年齢化が進んでいる今、「推し活」をしている小中高生もお金の使い方を考えなければなりません。「バンドルカード」と呼ばれる、誰でも作れるVisaプリペイドカードが登場し、中高生でもクレジットカードのような後払いができるようになりました。そのため、身の丈に合わない出費をしてしまう上、手数料が高額なため、滞納すれば保護者にも迷惑をかけてしまいます。金銭的に自立していないからこそ、より節度を守って行動することが大切になります。家族で話し合ってルールを決めるのもひとつの方法かもしれません。

「推し活」をする上でお金は欠かせないものとなりますが、生活する上で欠かせないのもお金です。「推し活」のためにお金を稼ごうとして、無理をしたりリスクのある行動に出てしまったりする人も少なくありません。月にどれくらい「推し活」にお金を使うか決めたり、「推し活」のスケジュールを把握してあらかじめ貯金をしておいたり、金銭管理の力を身につけておくとよいでしょう。

人間関係も大切!相手の「推し活」のしかたを受け入れる


「推し活」をするうえで、友人や周囲の人との関係はどうでしょうか?一緒に遊びに行ったり、推しの魅力を語り合ったり、楽しいこともたくさんありますが、「推し活」をするときには、相手を尊重することがより大切になります。

例えば、Aさんは推しのグッズをたくさん買うし、ライブなどのイベントへ何度も足を運ぶタイプ。一方Bさんは、あまりグッズを買わず、イベントに行くのも控えめなタイプだとしましょう。この2人のうち、どちらが推しに対しての愛情が深いと思いますか?

答えは、「AさんもBさんも、推しに対しての愛情が深い」です。「グッズをたくさん持っている人のほうが推しを愛している」「イベントにたくさん行くファンが偉い」なんていうことはありません。

推しを応援する方法は人それぞれで、お金をかけたり何度もイベントに行って楽しむ人もいれば、少しのグッズやたまに行くイベントを大切にする人もいます。そうした個人の「推し活」のモットーを尊重し、「推し活」をする人それぞれが自分のペースで楽しめるような気配りが大切になります。決して、数や金額で比べて「推し活」に優劣をつけたり、推しへの愛の大きさを決めつけてはいけません。

また、自分と同じキャラクターやアイドル、俳優などが好きな他者を避ける「同担拒否」の傾向にある人もいます。「推し」に対して恋愛感情を向けているため他の人と距離を置きたかったり、推し方の違いだったり、「同担拒否」の理由は様々です。

好きなものや「推し」の魅力をを共有したい人もいれば、ひとりでじっくり「推し」に向き合いたい人もいます。こういった価値観も受け入れ、適切な関係を築けるようにしていくことが重要です。

特に注意が必要なSNS!自分の言動がトラブルの原因になってしまうことも


先程解説した「金銭面」「人間関係」のトラブルと重複する部分も多いうえ、より多数の人がいることで、さらにトラブルの危険性が高まるのがSNSです。

SNSでは、毎日多くの人が「推し活」に関連する写真をアップしたり、様々な発言をしています。たくさんのグッズが並んで映える写真や、イベントの感想などを見ると、ついつい他の人と比べてしまうこともあります。それが引き金となって、「うらやましい」「あの人より推し活したい」という気持ちが大きくなり、無理な「推し活」に繋がってしまう可能性があります。

そんな時こそ冷静に行動することが求められます。少しSNSから離れてみたり、「推し活」以外の趣味をしてみたり、リラックスしてみると良いでしょう。また、気持ちが整理できない時は、こっそり誰かに相談するのもひとつの手段です。感情的になってSNSで書き込みをしてしまっては、トラブルの原因にもなりかねません。

SNSでの「晒し」や「炎上」にも気をつけて!

Space-Jにてモザイク加工

また、SNSならではのトラブルとして、「晒し」や「炎上」などがあります。イベントなどで見かけた他者のマナーの悪い行動をSNSに投稿して晒した結果、それが拡散され、多くのファンの間で問題視され「炎上」してしまう、というのが主な事例です。

他にも、特定の人とトラブルが起こり、「この人とこういうトラブルがあった(悪口を言われた、イベントなどで実際に会った際の迷惑行為、グッズ交換やチケットの取引での詐欺、自分が作ったイラスト・小説・漫画などの作品を無断転載された、自作発言された…というケースが多いです)ので、もしこの人を見かけたり、フォローしている人がいれば、トラブルに巻き込まれないように気を付けてほしい」という意味での「【注意喚起】」も、SNSを利用するオタクの中でよく見かけます。

さらに最近は、言葉にも気を付けなければならない風潮が高まってきました。言葉でのトラブルも多く、最初に投稿した人は誰かを攻撃するような意図がなくても、拡散されていくうちに違った意味で捉えられてしまったり、その言葉に傷つく人が出てきたりして「炎上」に繋がります。Twitterでは、多くの人に拡散されて言及するツイートが増えると、トレンドとして目に留まりやすくなります。それがさらに「炎上」を大きくしてしまう可能性もあるため、常日頃から言動に細心の注意を払うようにしなければなりません。

トラブルを回避して、推し活を安全に楽しく!


好きなキャラクターやアイドルなどに熱中でき、日々がより楽しくなる「推し活」ですが、その裏側には危険性もあることを解説していきました。「金銭面」「人間関係」「SNS」といった3つの観点での解説となりましたが、結論としては、「自分で自分の限度を知っておく」「他者と過度に比べない・他者の推し方を受け入れる」「自分の言動がどう思われるか客観的に考える」ことが大切になるといえます。もちろん、社会、SNS、家族で決めたルールを守り、節度のある行動をとることは、今後も続けていくべきです。

「推し活」が大きな流行となっており、これからも「推し活」を楽しむ人は増えていくでしょう。そんな今、重要なのは新たなサービスなのかもしれません。「推し活」を快適に楽しむために、トラブルが起きた際に相談できる場所や助け合いのシステムを作ったり、SNSなどのマナーの向上の機会があると良さそうです。

タイトルとURLをコピーしました